指関節の腫れと痛み!原因がわからない場合の2つの可能性!
「特に何かした記憶もないのに、指関節が腫れて痛い・・・」
病院内で患者さんと話をしたときに、こんなことを言っていました。基本的にどんな活動をするにも手の動きが伴うので、指関節の腫れや痛みは日常生活に大きな影響があります。
原因がわからないまま、放置しておくのは不安ですよね。症状が悪化すると余計に日常生活が大変に・・・
どういうことが考えられるのかを親しい整形外科のDrに聞いてみました。このDrから聞いた情報と自分なりに調べた情報をまとめたので、ご紹介していきますね。
それでは指関節の腫れと痛みが起こる原因について見ていきましょう。
目次
■指関節の腫れ・痛みで考えられることは?
ここ最近指を使いすぎた、どこかにぶつけた等の自覚症状があれば、ある程度の原因は予測できるかもしれませんが、思い当たる原因がない場合は困りますよね。
そんな場合に考えられることをDrに聞いてみた結果、考えられる主な原因は・・・
- 変形性関節症
- 関節リウマチ
とのこと。指関節は体にある関節の中で最も使用頻度の高い関節。だからこそ、あなたがこの2つの原因に当てはまっていないかを詳しく見ていきましょう。
まずは変形性関節症からお伝えしていきます。
原因①:変形性関節症
原因の1つめとして考えられるのは「変形性関節症」です。
変形性関節症は骨と骨の間でクッションのような役割を果たす関節軟骨が擦り減ることで発症します。これによって、指が曲がったり、関節の痛みや腫れが出てくる疾患です。
初期段階では自覚症状はほとんどなく、長期間かけて関節軟骨が擦り減るので、痛みや腫れが出てから気づくケースがほとんどです。
さらに、へバーテン結節とブシャール結節という2つの種類があり、
- 1. へバーテン結節
- 2. ブシャール結節
⇒ 指の第ニ関節に痛みや腫れが起こるもの
⇒ 指の第一関節に痛みや腫れが起こるもの
というように症状が出ている関節により病名があります。
この病気は安静にしている時には痛みがありませんが、物をつまんだり握ったりといった関節の動きがあると痛むという特徴があります。
また、悪化すると軟骨が更に擦り減ることによって、指を動かせる範囲が限られてきたり、指がまっすぐに伸ばせなくなるということもあります。
原因②:関節リウマチ
指の関節の痛みの原因として考えられるもう一つの病気は「関節リウマチ」です。
この病気は免疫疾患の一種で、免疫機能に異常が生じて自分の関節を攻撃してしまうことにより、腫れや痛みを引き起こします。
病気の特徴としては朝目覚めた時に、指関節の腫れや痛み、こわばりが強く出るということです。症状が左右対称に同時に起こることが多く、30~50歳代の女性に発症することが多いのも特徴です。
変形性関節症との主な違いは、
関節を動かさなくても痛みや腫れが起こる
ということ。症状が進むと軟骨や骨が破壊され、関節が変形します。
これらの二つの病気の疑いが少しでもあるなら、早めに原因を特定することが重要になってきます。進行する前に適切な治療を受けることが大事です。
まずは病院での検査によって病気をはっきりさせることが必要です。受診するのは整形外科です。
整形外科ではどんな検査を受けることになるのかをお伝えしていきますね。
■どういった検査を受けると分かるの?
疑われる疾患によって検査の方法が変わります。
まずは変形性関節症について見ていきましょう。
変形性関節症の検査
変形性関節症の主な検査はX線検査(レントゲン検査)です。
X線検査によって、骨と骨の隙間が狭くなっているか、骨棘(こつきょく)ができているかを確認することになります。
※骨棘:骨の一部がとげのようにとがったもの
他の疾患と区別をしたり、関節の状態をさらに詳しく調べる場合には、MRI検査やCT検査を行うこともあります。
関節リウマチの検査
関節リウマチの場合は血液検査と超音波検査を行います。
血液検査により血液中の炎症反応の有無を調べることができます。また、関節リウマチ以外には見られないリウマチ因子を調べる検査も併せると、特定することが可能です。
もうひとつの検査方法である超音波検査は早期発見が可能なため、今では関節リウマチの診断になくてはならない検査となっています。
手で触ってわからない初期の段階であっても、超音波検査であれば、関節の中の炎症を見つけることができるのです。
指関節の腫れや痛みが中々治らない・・・不安な状態を抱えているということでしたら、なるべく早めに病院にかかって検査を受けるようにしましょう。
■まとめ
指関節の腫れ・痛みで考えられる原因について振り返っておきましょう。
① 変形性関節症
関節を動かすことによって痛みが出る
・ へバーテン結節
⇒ 指の第一関節の痛みや腫れ
・ ブシャール結節
⇒ 指の第二関節の痛みや腫れ
② 関節リウマチ
⇒ 関節を動かさなくても痛みがある。悪化すると関節が変形する。
身に覚えがないのに、指関節の腫れや痛みがあると不安でたまらないですよね。特に、関節リウマチである場合には、進行すると別の関節に広がり、体を動かすことが困難になることもあります。
残念ながらこれらの疾患は自力で治すことはできません。そのため、少しでも不安な場合には整形外科を受診して、自分自身の体がどう言った状態なのかを診てもらうようにしましょう。
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