大人の発達障害の症状とは?気づいたきっかけは?
最近、大人になってから発達障害だと気付く人が増えてきています。
中でも多いのが、ASD(自閉症スペクトラム障害)だといわれています。
生まれつき脳の一部の働きに障害があり、以下のような特徴があります。
1. 人の気持ちや表情を理解しにくい
・ 相手の反応に関係なく、自分が興味のあることを話し続ける
・ 話の文脈と違うことを発言する
2. こだわりが強い
・ スケジュールを崩されることが嫌い
・ 特定のことにのみ興味を持つが、それ以外は知ろうとしない
その他にも注意欠如・多動性障害のADHD、学習障害のLDがあります。
社会に属するうえで最も大切な「コミュニケーション」
が上手くいかずに職場を転々とするケースや同僚、上司と対立し、
居づらくなってしまうケースが問題になっています。
大人になってから発達障害だと気付く方は、周囲からはもちろん、
自分でも「自分は発達障害だ」と気付かない方が多いのです。
その理由はIQが高かったり、言葉の遅れがない事があげられます。
よって、幼いうちに気付く事が難しいのです。
今、早期診断で期待されているのが、ASDを発見する血液検査で、
8歳以下の子供に対しては有効だといいます。
しかし、これも検査をしなくては見過ごす可能性があります。
ASDの特徴は通常の人でも大なり小なり当てはまる事がありますので、
理解されにくい障害の一つであるといえます。
■大人で発達障害の方は自覚症状ってあるの?
大人で発達障害の方は下記のような自覚症状があります。
・年齢に見合わない行動、衝動、不注意
・読む事、書く事、計算する事が困難
・対人関係の障害
・コミュニケーションの障害
・極端な興味や行動のこだわり
以上が大人の感じる発達障害の症状ですが、
これらは、学生時代は周囲や大人がカバーしてくれて、
なんとかなっていた場合が多いです。
それが、社会に出ると急に馴染めなくなり、
仕事が困難になってしまったりして生活しにくくなります。
原因を突き詰めていくことによって、発達障害と診断される事が多いです。
また、大人になってから自覚して障害を受け入れるというのは難しい
ということもあり、なかなか気付きにくい障害です。
■発達障害の治療法とは?
大人になってからの発達障害の治療療法は二つあり、
一つは心理的治療、もう一つは薬物療法です。
これらの方法では完全に「治す」ことはできません。
あくまで生活上の不適応の軽減で、根本的な治療は現段階ではありません。
【心理的治療】
・障害についての心理的教育
・コミュニケーションを向上させるトレーニング
心理的治療には周囲の協力が必要です。
また、本人の意識改革もしなければなりません。
【薬物療法】
以下のような薬剤が使われます。
1,ストラテラ(実行機能を活性化)
興味や意欲を向上させ、気が散りやすい・途中で投げ出して遂行出来ない
症状を改善。(十分な効果発現には6~8週間かかるとされている)
副作用は頭痛、消火器症状、傾眠など
2,メチルフェニデート(中枢刺激薬)
注意力を高める、衝動的で落ち着かないなどの症状の改善。
以前は子どものみの処方であったが、
2013年12月から18歳以上の成人にも使用可能になりました。
副作用は食欲不振、体重減少、不眠など
どちらも脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミン
の不足を改善させる働きがあります。
薬を服用する以上、何らかの副作用はあります。
個人差が大きいので服用するかどうかは、
お医者さんと相談しながら決めていくことになります。
次回は注意欠如・多動性障害のADHDに着目していきますね。
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