ノロウイルスで熱がない場合も!それはどうして?
「ノロウイルスなのに、なぜか熱がない!?」
病院の中でこんな症例に遭遇しました。通常ノロウイルスの症状というと、熱が出る上に嘔吐・下痢などを加わるイメージがありますよね。
ところが、こんな場合もあるのです。それは…
ノロウイルスに感染しても発熱しない
コレです。
発熱がないと、ノロウイルスに感染という可能性を消してしまう可能性がありますよね。ただの風邪と思い込んで生活をしていたら、周囲に感染が広がって大変なことに・・・
そんなことにならないためにも、ノロウイルスに関する知識を頭に入れておきましょう!
また、ノロウイルスにかかっていても発熱がない場合には、どのようにして他の感染症と見分ければいいのかも気になりますよね。
そこで、今回はノロウイルスで熱がないのはなぜかとノロウイルスの推測ポイントについて見ていきましょう。
■ノロウイルスで熱が出ないことがあるのはなぜ?
ノロウイルスの症状の1つとして考えられることの多い”発熱”ですが、必ずしも熱が出るわけではありません。それは、症状に個人差があるためです。
ノロウイルスによる主な症状が下記です。
- 嘔吐
- 腹痛
- 下痢
- 発熱
ただし、これら全てが起こるとは限りません。つまり、
発熱しない場合もある
ということ。ちなみにノロウイルスにかかった人で発熱の症状が出た人の割合が、37%という調査報告もあります。
発熱しても39度以上の高熱になることは少なく、微熱の場合は発熱に気が付かないこともあり得るのです。そのため、発熱しているかどうかでノロウイルスにかかっているかを判断するのは、あまり当てにならないと言えます。
それでは、熱がない場合はどのようにノロウイルス感染の可能性を考えればよいのでしょうか?
続いてその点についてお伝えしていきますね。
■熱がない場合でもノロウイルスが疑われる症状とは?
発熱がない場合にノロウイルスを見分けるポイントをご紹介したいと思います。
嘔吐や下痢の症状がひどい時には、熱がなくてもノロウイルスの可能性が考えられます。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
嘔吐
食中毒や胃腸炎でも嘔吐(吐き気)の症状が出ることがありますが、ノロウイルスの場合は症状が重いです。
徐々に吐き気が起きるというよりも、いきなり嘔吐することが多いのが特徴的です。一日に何回嘔吐したり、胃の中が空っぽになっても吐き続け、黄色い胃液が出てくることもあるほどです。
また、夜に布団に入っているときに、突然胸にムカムカがこみ上げてきて、我慢できずに繰り返し吐いてしまうことも多くあります。
下痢
ノロウイルス感染で特徴的なのが下痢です。下痢便の形状・臭いによってノロウイルスの可能性を疑うことができます。
通常の便は肝臓で生成される胆汁によって薄茶色〜茶色となります。しかし、ノロウイルスに感染すると肝臓の機能が低下し、この胆汁の排泄機能が低下します。そのため、健康な時に比べて白〜淡い黄色の薄い色の便となります。
米のとぎ汁のような水っぽい下痢便
こんな例え方をされることが多いです。
また、ノロウイルスと特徴が似ているのがロタウイルスですが、ロタウイルスの便は酸っぱい臭いなのに対し、ノロウイルスの便は独特な生臭い臭いです。これは便の中に含まれているウイルスが原因であり、ノロウイルスの便の臭いは「貝が腐ったような臭い」と表現する人もいます。
熱はないけれども、嘔吐や下痢にこのような特徴がある場合には、ノロウイルスに感染していることが十分考えられるのです。
残念ながら、ノロウイルスには特効薬が存在しません。そのため、もしも感染してしまったならば、安静にして回復することに専念していきましょうね。
⇒ノロウイルスの回復期間は?復帰の目安はコレ!
■まとめ
ノロウイルスで熱がない場合もあるのはどうしてかを振り返っておきましょう。
発現する症状には個人差があるから
・ノロウイルスで発熱の症状が出た人の割合が37%という調査結果も
⇒ 発熱する場合と発熱しない場合がある
ノロウイルスの症状は発熱の他に、嘔吐・腹痛・下痢があります。発熱していなくても、これらの症状があれば、ノロウイルスに感染している可能性が十分あり得ます。
ノロウイルスの場合は、特に下痢が特徴的です。
- 米のとぎ汁のような水っぽい下痢便
- 貝が腐ったような臭い
こんな臭いがする場合は要注意。ノロウイルスに感染しているかもしれません。
熱がなくてもノロウイルスに感染する場合があることをしっかりと頭に入れて、周囲に感染させないようにしましょう。